HDLコレステロールは高すぎてもダメなんですか?

HDLコレステロールは高すぎてもダメですか?

HDLコレステロールは高すぎてもダメですか?

私的背景

外来患者さんに、「善玉コレステロールはいくらあってもエエやんね?」と聞かれた場合に、きっちりエビデンスを踏まえて話をすることができるのか?を自分に問うたところ、「無理」と思ったので論文検索したところ面白い記事を見つけたので要約します。

論文タイトル:Extreme high high-density lipoprotein cholesterol is paradoxically associated with high mortality in men and women: two prospective cohort studies

Eur Heart J. 2017 Aug 21;38(32):2478-2486. doi: 10.1093/eurheartj/ehx163.

Madsen CM, Varbo A, Nordestgaard BG.

PMID: 28419274 DOI: 10.1093/eurheartj/ehx163

全文リンク

Abstract

AIMS:

High-density lipoprotein (HDL) cholesterol concentrations are inversely associated with cardiovascular disease and mortality across a range of concentrations, but genetic evidence suggest that extreme high concentrations may paradoxically lead to more cardiovascular disease. We tested the hypothesis that extreme high concentrations of HDL cholesterol are associated with high all-cause mortality in men and women.

METHODS AND RESULTS:

A total of 52 268 men and 64 240 women were included from the two prospective population-based studies, the Copenhagen City Heart Study and the Copenhagen General Population Study. During 745 452 person-years of follow-up, number of deaths from any cause were 5619 (mortality rate, 17.1/1000 person-years (95% confidence interval (CI): 16.7-17.6)) in men and 5059 (mortality rate, 12.1/1000 person-years (11.8-12.4)) in women. The association between HDL cholesterol concentrations and all-cause mortality was U-shaped for both men and women, with both extreme high and low concentrations being associated with high all-cause mortality risk. The concentration of HDL cholesterol associated with the lowest all-cause mortality was 1.9 mmol/L (95% CI: 1.4-2.0) (73 mg/dL (54-77)) in men and 2.4 mmol/L (1.8-2.5) (93 mg/dL (69-97)) in women. When compared with the groups with the lowest risk, the multifactorially adjusted hazard ratios for all-cause mortality were 1.36 (95% CI: 1.09-1.70) for men with HDL cholesterol of 2.5-2.99 mmol/L (97-115 mg/dL) and 2.06 (1.44-2.95) for men with HDL cholesterol ≥3.0 mmol/L (116 mg/dL). For women, corresponding hazard ratios were 1.10 (0.83-1.46) for HDL cholesterol of 3.0-3.49 mmol/L (116-134 mg/dL) and 1.68 (1.09-2.58) for HDL cholesterol ≥3.5 mmol/L (135 mg/dL).

CONCLUSION:

Men and women in the general population with extreme high HDL cholesterol paradoxically have high all-cause mortality. These findings need confirmation in other studies.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28419274より引用

目的

高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度は、様々な濃度にわたって心血管疾患および死亡率と逆相関するが、遺伝的な証拠によれば、極端に高い濃度は逆説的に心血管疾患を引き起こす可能性がある。

本研究は、HDLコレステロールの極端な高濃度が男性および女性の高い全死因死亡率と関連しているという仮説を試験するものである。

方法

2つの前向き人口ベース研究。

コペンハーゲン市の心臓研究およびコペンハーゲンの一般人口研究に含まれた合計52,268人の男性と64240人の女性が対象。

経過観察期間の中央値は、それぞれCGPSおよびCCHSについて6.0年(範囲:0-23)、5.7年(0-11)および19.9年(0-23)。

結果

745 452人年のフォローアップ期間中、あらゆる原因による死亡者数は男性で5619人 (年死亡率, 17.1/1000 人(95%信頼区間 [16.7-17.6])であり、女性では5059人(年死亡率, 12.1/1000 人(95%信頼区間 [11.8-12.4])であった。 HDLコレステロール濃度と全原因死亡との間の関連性は、男女ともにU字型であり、極端に高い濃度と低い濃度の両方が高い全死因死亡リスクと関連していた。

最低死亡率に関連するHDLコレステロールの濃度は、男性において1.9mmol / L(95%CI:1.4-2.0)(73mg / dL(54-77))であり、女性では2.4mmol / L(1.8-2.5)(93mg / dL(69-97))であった。 リスクが最も低い群と比較して、 全ての死亡原因の多因子調整ハザード比は、 男性の場合、 HDLコレステロールが2.5-2.99mmol / L(97-115mg / dL)で1.36(95%CI:1.09-1.70) HDLコレステロール≧3.0 mmol / L(116 mg / dL)では2.06(1.44-2.95)であった。

女性の場合、 対応するハザード比は、HDLコレステロールが3.0-3.49ミリモル/ L(116-134mg / dL)で1.10(0.83-1.46)であり、 HDLコレステロール≧3.5mmol / L(135mg / dL)で1.68 (1.09-2.58) であった。

結論

非常に高いHDLコレステロールを有する一般的な集団の男性および女性は、逆説的に全死因死亡率が高い。これらの所見は他の研究で確認が必要である。

問題の定式化

  • P : コペンハーゲン市の心臓研究とコペンハーゲン一般人口研究の2つの前向コホート研究における合計52,268人の男性と64240人の女性
  • E : 極端に高いHDLコレステロール値の人
  • C : それ以外の数値のHDLコレステロール値の人
  • O : 死亡率は高くなるか?

感想など

HDL高値で死亡率が約2倍と言う結果でした。

ちょっとビックリ。HDLについては高くても宜しくないという視点をもって患者さんの検査値を見せていただくのが肝要だと感じられるものでした。

けいしゅけ

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