ブラウンバッグ運動って何ですか??

私的背景

 

 

メインブログでセルフメディケーションやら外来服薬支援について書いたのだが、そこで出てきた言葉として「ブラウンバッグ運動」というものがあった。

はいはい、聞いたことあるで~と思ったものの、「んじゃ説明して」と言われたら「超絶無理な話やでそれは!」と思ってしまう自分がいました。情けないので論文検索してちょっとブラウンバッグ運動について勉強しようと思います。

Fam Pract. 1999 Jun;16(3):278-82.
‘Brown bag’ medication reviews as a means of optimizing patients’ use of medication and of identifying potential clinical problems.
Nathan A, Goodyer L, Lovejoy A, Rashid A.

PMID: 10439982

Abstract

BACKGROUND:

‘Brown bag’ medication reviews carried out by community pharmacists collaborating with GPs have become established, in the USA and elsewhere, as an effective means of helping primary care patients to derive maximum benefit from their medicines, of identifying medication-related problems and of reducing wastage of medicines.

GPと協力している地域の薬剤師によって行われた「ブラウンバッグ」の投薬レビューは、米国および他の地域で確立されており、プライマリケア患者が医薬品の最大の利益を引き出すのを助ける有効な手段として、薬物関連の問題を特定し、医薬品の無駄を減らすことができます。

OBJECTIVE:

We aimed to determine whether ‘brown bag’ medication review could be used successfully in the UK, and particularly whether it represents an efficient and potentially cost-effective means of identifying medication problems.

『ブラウンバッグ』投薬レビューが英国でうまく使われることができたかどうか、そして、特に、それが薬物問題を確認する効率的で潜在的に費用効果がよい手段を意味するかどうか判断することを我々は目指しました。

METHOD:

‘Brown bag’ medication reviews were carried out on 205 volunteer patients in 23 pharmacies in south-east London. Pharmacists’ interventions to improve patients’ knowledge and usage of their medicines were analysed. Potential clinical problems identified by pharmacists were analysed in order to identify the drug groups most likely to cause problems.

ロンドン南東部の23の薬局で、205人のボランティア患者を対象に「ブラウンバッグ」の投薬レビューを実施しました。患者の知識と薬の使用を改善するための薬剤師の介入が分析された。薬剤師によって同定された潜在的な臨床的問題を分析し、問題を引き起こす可能性が最も高い薬物群を同定した。

RESULTS:

Interventions were made in 87% of reviews; interventions to improve patients’ knowledge of the purpose and correct usage of their drugs were made in 65% of reviews. In 12% of reviews, problems were identified that could potentially result in a hospital admission, and the potential for an improved outcome for the patient if drug therapy was changed was identified in a further 34% of cases. Beta-blockers, NSAIDs and verapamil were identified as being associated with potential problems of the highest clinical significance. Patients taking psychoactive medication were at greatest risk of a medication-related problem from any cause.

介入はレビューの87%で行われた。患者の目的に関する知識と薬の正しい使用法を改善するための介入は、レビューの65%で行われました。レビューの12%で、病院への入院につながる可能性のある問題が特定され、薬物治療が変更された場合に患者のアウトカムが改善される可能性がさらに34%のケースで確認された。ベータ遮断薬、NSAIDおよびベラパミルは、最も高い臨床的意義の潜在的な問題に関連していると同定された。精神活性薬を服用していた患者は、何らかの原因で投薬関連の問題が発生する可能性が最も高かった。

CONCLUSION:

Pharmacists could contribute to patients’ welfare and reduce health care costs by carrying out ‘brown bag’ medication reviews on behalf of GPs.

薬剤師は、GPに代わって「ブラウンバッグ」投薬レビューを実施することにより、患者の福祉に貢献し、医療費を削減することができます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10439982 より引用(Google翻訳の結果は筆者が加筆した)

ブラウンバッグ運動についての論文を引用しました。

その他のブラウンバッグ運動に関する資料はないか?

2011年の薬事日報の記事に良いものがあるので引用する。

【ブラウンバック運動で報告書】総合的服薬指導が有用‐併用禁忌の早期発見など

草間真紀子氏(東京大学大学院薬学系研究科)らのグループと日本薬剤師会が共同で行った、「ブラウンバッグ運動‐薬局薬剤師による服用薬の包括的な併用実態調査」研究報告書第2版がまとまった。報告書では、ブラウンバッグ運動を展開することで、薬剤師による総合的な服薬指導が行われ、処方薬とOTC薬・サプリメントの併用禁忌などの早期発見や、健康被害の未然防止につながる可能性が示唆された。

ブラウンバッグ運動は、患者が日常的に服用している処方薬、OTC薬、サプリメントを点検し、副作用や相互作用などの危険性を見つけることにより、潜在的な問題を早期に発見し、早期の対策につなげる運動。1980年代に米国で始まったものだが、日薬では日本でもかかりつけ薬局の役割を考える上で重要とし、「ゲット・ジ・アンサーズ」運動の一部として支援している。

草間氏らは、処方薬とOTC薬・サプリメントの併用に関して、薬剤師による総合的な服薬指導が実施されることを目的に、「高齢者薬物治療適正化研究グループ」を立ち上げ、処方薬とOTC薬など、併用への薬剤師の関与を調査してきた。

2009年度は、患者が服用薬を保険薬局窓口に持参する方式で、薬剤師が対面で使用実態を確認し、相談応需する「ブラウンバッグ運動」を実施した。10年度は、保険薬局の利用者以外にも調査対象を拡大して実施し、今回、第2版としてまとめた。

調査の目的は大きく分け、

▽サプリメント・OTC薬・処方薬の併用実態、相談に関する認識や嗜好の把握

▽薬局来局者以外を対象としたブラウンバッグ運動実施による、適正使用のための相談に求められる事項の把握

--の2点。

調査方法は、まず茨城県土浦・石岡・龍ヶ崎地区の健康関連イベント参加者を対象に、医薬品やOTC薬の使用・併用状況、相談に関する認識や嗜好をアンケート調査した(回答者は647人)。次いで、土浦地区で薬剤師への相談に求める事項を、薬局来局者と非来局者を対象に実施した(希望者を募り51人がエントリー)

アンケート結果によると、「サプリメントや処方薬とののみ合わせを調べてほしい」と38%が答えた。この結果は、処方薬やサプリメント、OTC薬の服用有無、かかりつけ薬局の有無には依存しなかった。処方薬とサプリメントなどの併用は、年齢が高くなるほど多かった。

お薬手帳については、処方調剤を門前薬局もしくは自宅近くで行いたい人の方が、院内で調剤してもらいたい人より活用していた。報告書では、医薬分業が進むことで、患者が薬歴を自己管理する意識が高まることを指摘している。

希望者に対するブラウンバッグ運動では、重複投与が3人(4件)で見つかった。参加者からは、薬剤師による総合的な服薬指導によって、「服用薬使用上の不安軽減につながる」との意見が、過半数以上寄せられた。否定的な意見では、薬を持参する手間や所要時間に関するものがあった。

報告書では、薬剤師が重複投与などを早期発見をすることで、患者に注意喚起し、健康被害を未然に防げた可能性があるとし、今後はより広範囲の人に参加してもらえる形態を考慮しながら、ブラウンバッグ運動を発展させていくことが望ましいとした。

薬事日報 https://www.yakuji.co.jp/entry23316.html より引用 (下線・強調は筆者が加筆したものである)

ちなみにこの報告書はネット上に公開されているのでリンクを貼っておきます。

ブラウンバッグ運動 ―薬局薬剤師による服用薬の包括的な併用実態調査

さらに、この調査結果を書いておられる草間真紀子先生らが作っているWebサイトもあるのでこのサイトを通読することでブラウンバッグ運動については理解が深まりそうですね。

 

感想など

 我々が当初取り組んだブラウンバッグ運動というのは、医療用医薬品とサプリメントやOTC薬との飲み合わせに焦点をあてたものでした。

しかし2009年の広島ブラウンバッグ運動を発端に、いくつかの地域で実施された結果、飲み合わせに関する問題は意外と少なく、むしろブラウンバッグ運動というのはコミュニケーション手段として非常に有用でした。

副作用、医師には言えないノンコンプライアンス等を発見するツールであることに意義を感じておりました。

このたび、残薬問題も脚光を浴び、また、診療報酬改定でこのブラウンバッグ運動が広まり、嬉しくおもっております。

最後にる草間真紀子先生らが作っているWebサイトに書かれている文章を載せておきます。

ブラウンバッグ運動というのはコミュニケーションツールとして有用であったという記載が印象的です。

外来服薬支援にしてもそうなのですが、やはり薬剤師と患者さんというよりも人間同士の関わり合い、つながりを強めることに意味があるように僕は思いました。

恥ずかしながらブラウンバッグについては準備していても配布して活用するという行動に移すまではできていませんでした。

これをキッカケにブラウンバッグ運動をやってみようかなぁと強く思う次第です。

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