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私的背景
論文要約ブログを立ち上げました。ひとまず、なんかいい論文ないかと模索した結果、medical-tribuneで面白そうな書き出しがあったので覗いてみたところ、これは大事やん!と思ったので書くことにした。
論文タイトル:Low-Dose Aspirin Discontinuation and Risk of Cardiovascular Events:A Swedish Nationwide, Population-Based Cohort Study
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Circulation. 2017;136:1183-1192
DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.028321
背景
大手術や出血がない場合、アスピリンの中断に伴うリスクについて懸念が高まっている。
そのため長期低用量アスピリンの中止および治療のギャップが心血管イベントのリスクを増加させるかどうかを調べた。
方法
2005年から2009年の間にスウェーデンの処方登録で、601527人の一次または二次予防のコホート研究を行った。
研究対象の患者は40歳以上で、ガンの既往歴がなく、低用量アスピリン治療開始の初年にアドヒアランスが80%以上であった。
心臓血管事象は、スウェーデンの入院患者および死亡原因登録で特定された。重大な出血または外科手術後の最初の3ヶ月は、リスク時間から除外された。
結果
中央値3.0年の経過観察期間に、62690の心臓血管イベントが発生した。
アスピリンを中止した患者は、継続した患者よりも心血管イベントの割合が高かった。
➡多変量調整後のハザード比1.37; 95%信頼区間1.34-1.41
これは1年間あたり、アスピリン服用中止患者の74人に1人が心血管イベントを観測されることとなる。
リスクは中止直後に増加し、時間とともに減少するわけではないようだった。
結論
長期服用患者では、大手術または出血がない場合の低用量アスピリンの中止は、心血管イベントのリスクが30%よりも多く増加することに関連していた。
大手術または出血がない場合の低用量アスピリン治療の遵守は、治療の重要な目標である可能性が高い。
問題の定式化
- P スウェーデンの処方登録で、601527人の一次または二次予防の低用量アスピリン服用患者
- E 低用量アスピリン服用中止
- C 低用量アスピリン服用継続
- O 心血管イベントリスクが増加するか?
チェックポイント
研究対象集団(PECOの”P”)の代表性:外的妥当性が高いか?つまり一般人口に研究対象集団が近いか?
➡ スウェーデンの一般患者データを用いているので外的妥当性は高いように思われる。
研究の結果がどの程度一般的な人口に当てはまるか?の程度のこと
交絡への配慮は?
➡ We did not have access to data on socioeconomic status; physical examinations, including blood pressures and lipids; or lifestyle measures such as smoking. However, we used directed acyclic graphs to identify bias-minimized models and included only people who had qualified as long-term users of aspirin.
こう書かれているように、血圧や脂質を含む身体所見や喫煙などの生活習慣まではデータを取り切れていない。ただしバイアスを最小限に抑えるためにdirected acyclic graphs(なにそれ?)を使っているとある。
感想など
ひとまず1発目の論文要約を終えた。緊張した。ほんでもってやってもた!感がハンパない事に師匠のブログに同じ論文要約が載っていた。パクった?って思われそうやん・・・。
それはさておき、ひとまずアスピリンを中止になった施設患者さんがいて、「ホンマにそれでええの?」って過去に思ったことがあったのでこの論文が目についたのでまとめたんですが、やっぱり中止するのってリスクが高いのかもねっていう印象が強かったです。
今後も循環器系に限らず色々と目につく論文をまとめていこうと思います。